LVM(Logical Volume Manager)とは
LVMを利用すると複数のHDDやパーティションにまたがった記憶領域を一つのボリュームグループにまとめて単一の論理ボリュームとして扱うことができます。
OSのインストール後にもパーティション構成の拡大や縮小が行えます。
LVMおよびその他に関連する基本用語
物理ボリューム(PV) | 物理的なパーティションをLVM用のパーティション(物理ボリューム)に変換する |
ボリュームグループ(VG) | 一つ以上のブル地ボリュームをまとめてプール化し物理エクステントとして論理ボリュームに割り当てる |
論理ボリューム(LV) | ボリュームグループともとに作成した論理ボリューム上にファイルシステムを作成しマウントする |
物理エクステント(PE) | LVMの扱うデータの最小単位 |
XFSファイルシステム | RHEL7のデフォルトファイルシステム、最大ファイルサイズ/最大ボリュームサイズは500TiB |
LVMおよびその他に関連するコマンド・ファイル
fdisk | パーティションの作成/削除/システムタイプの変更/パーティションテーブルの書き込み |
/etc/fstab | OS起動時に自動でマウントする情報を記載したファイル |
lsblk | ブロックデバイス情報を一覧表示(HDDに新規パーティションを作成するための残容量があるか確認) |
blkid | デバイスとUUIDの関連付け |
lvmdiskscan | LVM情報の表示 |
pvs / pvscan / pvdisply | 物理ボリューム情報の表示 |
vgs / vgscan / vgdisply | ボリュームグループ情報の表示 |
lvs / lvscan / vldisply | 論理ボリューム情報の表示 |
LVMの注意点
XFSでは論理ボリュームの縮小ができないためパーティションサイズを縮小するには論理ボリュームの削除および再作成が必要になる。
ブートローダはLVMボリュームを読み込むことができないため/bootパーティションは標準パーティションになる。
LVMを利用するケース【HDDを追加して既存パーティション(/var)拡張する】
HDDの空き容量に新規標準パーティションを作成しシステムタイプ(LVM:8e)を変更 # fdisk /dev/sda パーティション追加を反映するためにOS再起動 # reboot 新規パーティションをもとに物理ボリュームを作成 # pvcreate /dev/sda3 物理ボリュームを既存のボリュームグループに統合 # vgextend VolGroup /dev/sda3 論理ボリュームを拡張(最大サイズで拡張する場合) # lvextend -l +100%FREE /dev/VolGroup/var 論理ボリュームを拡張(サイズしていで拡張する場合) # lvextend -l L+5G /dev/VolGroup/var 拡張した論理ボリューム上のファイルシステムのサイズを拡張 # xfs_growfs /var
LVMを利用するケース【既存パーティション(/home)の縮小】
xfsdumpのインストール # yum install xfsdump psmiscパッケージをインストール(fuserコマンド利用のため) # yum install psmisc homeのダンプファイル(home.dump)を作成 # cd /work # xfsdump -j -L home -M drive -f home.dump /home homeパーティションをアンマウント # umount /dev/VolGroup/home アンマウントが失敗した場合は依存プロセスを停止(killコマンドによる停止) # fuser -va /dev/VolGroup/home # kill XXXX アンマウントが失敗した場合は依存プロセスを停止(fuserコマンドによる停止) # fuser -km /dev/VolGroup/home 論理ボリューム(homeパーティション)の利用停止(非アクティブ化)および削除 # lvchange -an /dev/VolGroup/home # lvmore /dev/VolGroup/home 論理ボリューム(homeパーティション)を再作成(新規作成) # lvcreate -L 500M -n home VolGroup 論理ボリュームにファイルシステムを新規作成しマウント # mkfs.xfs /dev/VolGroup/home # mount /dev/VolGroup/home /home homeのダンプファイル(home.dump)のリストあ # cd /work # xfsrestore -J -L home -f home.dump /home OS再起動時に自動的にマウントするように設定 vi /etc/fstab